産婦人科医のおじさんと泌尿器科医のモモ先生と看護学生のかすみちゃんのブログ

性教育に関するブログです。産婦人科の男性医師と泌尿器科の女性医師と看護学生の女の子がいろいろ話します。それぞれ筆者への質問は https://peing.net/kamishige0315 で受けます。

全然気持ちよくないけど、それが現実って話

 

こんにちは、モモです。

 

 

最近、韓国のサスペンス映画をよく観ます。

 

 

ミステリー、サスペンスが大好きで(ホラーはNG)、

 

以前偶然DVD屋で見かけて借りた

 

「暗数殺人」がとても面白かったので。

 

 

他にも話題になっていたり、ネット上で評価の高い作品を観てみようと

 

「チェイサー」を借りました。

 

 

韓国映画の特徴として、社会問題や実際にあった事件をモチーフにしているものが多いと感じます。

 

 

この「チェイサー」も、2000年代に韓国を震撼させた大きな事件が元になっているとのこと。

 

 

 

で、見終わった感想なんですが。

(※ネタバレあるので、まだ観ていない!観たい!という人は観てから読んで下さい。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とにかく辛いです。

 

 

 

救いがないです。

 

 

 

例えば、最近ヒットした日本のドラマ「半沢直樹」では、

観た後の

 

 

勧善懲悪、「視聴者の気持ちよさ」、すっきり感

 

が強く感じられますよね。

 

 

 

正義が勝つ

 

悪が罰せられる

 

良い人は救われる

 

 

 

視聴者が望む結末は何一つ待っていません。

 

 

 

 

登場人物の中には、子どもを育てるためにデリヘルで働く女性が登場します

 

 

 

映画では、彼女が望んでその仕事を選択しているわけではないことが伝わってきます。

 

 

一人で子どもを育てるために、リスクの高い仕事を選択せざるを得ない

 

 

 

以前、岡村隆史の「コロナでお金に困った可愛い子が風俗に来るの楽しみ」発言が問題となりましたが、

 

そのとき

 

「好きで風俗という仕事を選択している女性だっている」

 

という論も頻繁に目にしました。

 

 

「選択」って難しいですよね。

 

 

 

新聞コラムで

 

 

「いつだって『選びたい』と思えるような選択肢なんてなかった」

(福島で被災した女性)

 

 

という言葉が紹介されていました。

 

 

 

放射線被曝のリスクのある故郷に戻るのか

 

・故郷を離れ別の土地に移住するのか

 

 

これは確かに選択肢です。

 

 

この女性はどちらを選んだとしても

 

「自分が選んだことじゃないか」

「自己責任だ」

 

 

と言われるのでしょう。

 

 

 

性別、年齢問わず、リスクの高い職業を、自分の意思で選択している人はいます。

 

ただし、それが本当に数ある選択肢の中から

 

「選びたい」

 

と思って選んだものなのか。

 

 

積極的には選択したくない選択肢の中から、

 

やむを得ず選択した結果なのか。

 

 

そんな視点を常に持っていなければいけないと思います。

 

 

 

今日のランチはイタリアンか、お寿司か、カレーか。

 

 

これも選択。

 

 

お金がなくて生きていけないから、身体を売るか、盗むか、生活保護か。

 

 

これも選択。

 

 

 

同じ選択なわけない。

 

 

 

 

 

 

 

 

「チェイサー」は

 

本当に救いが無くて、見終わってからも苦しい。

 

 

 

だけど、それが現実。

 

 

現実を変えなくちゃと思わせてくる。

 

 

だから、名作。

 

 

みなさんもぜひ観てみて下さい。(暴力シーンもあるので苦手な方はやめた方がよい)