産婦人科医のおじさんと泌尿器科医のモモ先生と看護学生のかすみちゃんのブログ

性教育に関するブログです。産婦人科の男性医師と泌尿器科の女性医師と看護学生の女の子がいろいろ話します。それぞれ筆者への質問は https://peing.net/kamishige0315 で受けます。

学校でデートDV予防教育をどのように行うか

1、 デートDVとは

① 寂しい、不安が強い、人に依存したい、依存しやすい、自己肯定感が低いなど共通の感性を持つ二人が出会った場合、求めるものが同じであるため急速にお互いを好きになり強く依存し合う関係になる。

 この二人が安定、安心の依存関係を保つために

② 相手が自分の思い通りになれば安心のできる(加害者>被害者)、相手がいつもそばに居てくれる(加害者=被害者)、相手にとって自分が1番大切な人間でいたい(加害者<被害者)と思う。

③ この関係性をより確実にするために加害者側は被害者に対して精神的、社会的、性的、身体的暴力を実行する。また被害者は相手の存在が唯一の依存先となっている為、辛いとは思うが離れようとはしない。

このような関係性が成り立つ場合をデートDVの関係と言う。

  被害者はこの関係のために、自由な生活が失われる為パートナー以外との人間関係が悪化し、精神的に追い詰められ社会的な位置をも見失う事が多い。また、加害者も被害者に対して過度な関わりを持とうとする為に、精神的に不安定なことが多い。ただしデートDVの関係の判断は絶対的デートDVとして考えるのではなく、被害者の環境や精神的状況から相対的に判断するものである。

2、 デートDV予防教育

予防教育とは1の関係のどこかをブロックできる方法を学ぶ事である。

① 寂しさ、不安、自己肯定感の低さに関して

 母性学的な立場から生命の誕生についてまず教える。受精、妊娠、分娩、育児についてその現状をわかりやすく伝える必要がある。授かった命ではなく自分で努力して手に入れた命であること。生まれてきたときはみんな同じだがその後の環境や大家、友人仲間などの違いで変わってくる。同じ環境などで育てば、あなたもその人と同じ生き方をするはずなので、相手に対して共感しようとする思いやりを持ってもらう。ハンディーキャップ者はいないこと、全ての人は得意なものと、苦手なものを持っていて、それを補いながら生きていることになる。それは性別の違いも同じ事であることをしっかり伝える。また孤独の時間は自分を見つめる上で、大切な時間であり、その孤独を楽しめるようになること。自立とは依存先を増やすこと(熊谷晋一郎先生)であるため、SNS友人や、仲間、部活、趣味、SNSなど自分の依存先をたくさん持てるようにすることなだ大切であることを伝える。

② フェアな関係を作るために

 パートナーに対して(自分の思い通りになってほしい、いつも側に居て欲しい、パートナーにとって自分が唯一無二の必要な人間でいたい)と強く思うことがデートDVの関係を作り上げる。

そこにはまずジェンダーの問題がある、男性はこうである、女性はこうであるという考え方である。精神的な関係に性差はない事を教えることが必要であり、それに関してはLGBTの概念を理解してもらうことが1番である。性差の無い、性別にこだわらない考え方や生き方を理解してもらう。「自由な心で、好きな服を着て、好きになった人がタイプ」そのような考え方を私は伝えている。しかしながら、肉体的な性差についてはしっかり理解してもらう必要がある。女性の月