産婦人科医のおじさんと泌尿器科医のモモ先生と看護学生のかすみちゃんのブログ

性教育に関するブログです。産婦人科の男性医師と泌尿器科の女性医師と看護学生の女の子がいろいろ話します。それぞれ筆者への質問は https://peing.net/kamishige0315 で受けます。

寄り添うってなんでしょう?

 Twitterに中学生で何故援助交際するのって聞いたら、「中学生でバイトできないからだよ、できたらバイトしとるわ」って答えがあった。と書き込んだら、中学生の援助交際の感覚はバイト感覚なのかとか、ほかの方法はなかったのかとか、新聞配達ならできると言う反応がありました。でも実際考えてみてください、援助交際を大好きで行なっているはずないじゃないですか、それなりに家庭環境や周りの状況があって考えることでしょう、一般家庭の女の子にとっては援助交際や風俗は身近なものではないはずです。

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 この言葉を発した子も、家族は金銭的には恵まれている家庭です。ただし、母親が勉強や習い事に厳しく、それは狂信的で、深夜まで勉強させられた、ピアノも習わされた。それをサボろうとすると、暴力を受けてました。 「お母さんから3回包丁を投げつけられたけど、3回とも柄の部分が当たったので足の小指の骨折だけで済んだ」と笑って話してました。父親はそのお母さんに対応できず、その子がいじめられていても黙認するしかないような状況だったみたいです。当然その子はこのままだと殺されると思って、家を出ようと考えます。中学生3年生だった彼女は後1年近くは家にいないといけないけど、なんとか頑張って、中学終わったら家を出ようと考えます。その時にお金が生きるために必要です、新聞配達くらいのお金ではどうにもなりません。そこで考えついたのが援助交際です。彼氏と初めての性行為があった時、これで援助交際ができるとうれしかったそうです。援助交際の間、勿論怖い目にもあっています。お客さんが突然包丁を振り回したので、灰皿で叩いで逃げたこともありました。そして中学の時彼女はレイプ被害に遭います。2回ほど、1人は援助交際の客、1人は先輩からです。警察にも行きましたが、立件できないままでした。又その頃から自殺行動も現れます。耳もとで自分は生きていてはいけないともう1人の自分が話しかけます。毎日辛くて毎日死のう死のうと考えていた彼女が、少しでも生きるために思いついたのが、死ぬ日を決めるということです。この日に死ぬと決めると、その日になったら死ねるのでそれまではなんとか生きれるそうです。薬をたくさん飲んで、1週間幻覚を見続けました。これではダメだと、ドアノブに紐を結んで首を吊りました。この時はドナノブが奇跡的にも壊れて、彼女は2時間後に息を吹き返しています。目が覚めたら嘔吐と失禁して倒れている自分に気づいた。片足片手が動かないし、顔半分感覚がない状況で彼女は嘔吐物と糞尿を掃除し、そのまま寝込んで2日後に機能が回復したそうです。でも今でも口を開けるとパキパキ音がします。自分は死二択ても奇跡的に生きてしまう。でも絶対に死なないといけないので、次は何月何日に死ぬ予定と今も思っています。

 高校に無理やり行かされましたが、勿論通学しません。援助交際でなんとかお金を得ながら、家とか友達の家とか、又女友達と一緒に同棲するということを繰り返します。

 全ての男は自分を 性の対象にしか見ていないと男嫌いになります。男嫌いが生活のために援助交際をするのですから地獄のような毎日です。死にたい死にたいと思うのは仕方ないです。18歳になったとたんに風俗の世界に入ります。それまでは違法なので警察に隠れながら行動しなければいけなかったのですが、18になり堂々と仕事ができるようになりました。男嫌いは続いていますが、昔ほどでは無くなりました。現在は自殺する計画を立てながらもなんとか生きています。
 何故彼女が生きているのか? それはその時その時に、ガチ恋する男がいるからです。この人のために生きていこうと思うからです。ガチ恋の彼氏も彼女の計画的な自殺を完全に止めれませんが、それでも生きようと普段は思ってくれます。
 「男性に性欲の処理係みたいに扱われてきた、けどそれでも私がその人を好きだからそれでいいし、生きがいになった」と話しています。確かに付き合ってきた男性の話を聞くと100%DVだし、自分本位の浮気やろうです。でも生きがいです。いないと彼女は死んでしまいます。現在も1人の男性と恋をしています。勿論その男性には今付き合っている彼女がいます。それでもその男性はその子に優しいです。勿論束縛されています。元彼女と3pしてくれとか、外でセックスしようとか言われます。彼女は彼がそれで喜んでくれるなら何も問題ありません。彼女にはそれが生きがいなのです。

 彼女の人生を変えたのは何?って聞いてみました。答えは2つ、レイプと2次被害。
レイプやろうはほんと殺してやりたいくらいにくい、心も体もズタズタになる、レイプ犯は死刑でもいいと思う。
 レイプ受けた時警察も、学校も、NPOなどの団体がいろいろ話をしてくれたそれが2時被害。警察はいつどんな様子でどんな体位でその時どんなこと喋ったの、@その時の気持ちはといやらしく事細かにきかれ、学校ではお前もその気があったから行ったんだろう、妊娠して無くてよかったとかいわれ、NPOなどからは、体が無事でよかった、あなたは何も悪くないのよとか、あなたの体のことお母さんはどんなに心配されていることでしょうとか、今までのことは忘れましょう、今からの事をしっかり考えていきましょうとか、援助交際なんかよりほかの生き方があるのだからとか言われ、それら全てが2次被害を彼女に与えています。2被害の方が彼女の心に大きな傷跡を残したようです。
 結局、彼女に生きる力を与えたのはガチ恋のDV彼氏だけです。

 今調査中ですが、風俗の仕事をしている女性の多くに過去レイプ被害があります。自傷、自殺未遂経験があります。生きるために必死に考えて努力して我慢して今を生きています。

 寄り添うってなんでしょう?自分にガチ恋させれますか?24時間ずーっとそばに居れますか?相手が言うことをどんなことでも鵜呑みにできますか?自分の時間や自分の考えを殺して寄り添えますか?

 それでもガチ恋の彼氏には敵いません。良い彼氏がついてくれることを願いながら、どんな話でも可能な限り聞けるよに備える。対応できる時は可能な限り対応する。あとは運を天に任せるくらいしかできません。