産婦人科医のおじさんと泌尿器科医のモモ先生と看護学生のかすみちゃんのブログ

性教育に関するブログです。産婦人科の男性医師と泌尿器科の女性医師と看護学生の女の子がいろいろ話します。それぞれ筆者への質問は https://peing.net/kamishige0315 で受けます。

ピルに関しての質問をまとめます。

1、ピルの飲み方について

 飲み始めは月経開始3日以内であればその日から避妊効果があります。そのまま休みなく飲んでいれば休薬期間を含めて避妊効果は続きます。

 それ以外の日から飲んだ場合は避妊効果は飲む初めてから8日目からになります。あとはそのまま休みなく飲んでいたら避妊効果は持続します。

 


2、飲み忘れたとき

 飲み忘れたら思い出した時間に飲んでまた次の日から同じ時間帯で飲んでください。一日忘れたら次の日の時間帯にまとめて2錠飲んでそのあとは普通に飲んでください。それ以上忘れた場合はその日のやつを飲んで、飲み忘れて余っている分は捨てるか、遅れた日から飲み忘れた分を飲んでください、飲み忘れた分だけ日にちがずれますが構いません。

 避妊効果は2日以内の飲み忘れであれば気にしなくて構いません。それ以上の飲み忘れの場合はピルを再開して8日間は避妊効果が落ちると思ってください。

 なお嘔吐した場合服用後2時間にないであればもう一回飲み直してください。嘔吐や重症の下痢が丸一日以上続く場合は一旦飲むのを中止して回復したら上に書いている飲み方に合わせて飲んでください。

 


3、不正出血

 基本、ピルを飲んでいたら不正出血はあってもおかしくないです。気にならなければそのまま続けてください。そのピルの休薬期間に入れば普通は止まります。途中で月経のような出血があっても、少量の不正出血があっても飲み方を変えないで飲み続けることが基本です。

 1シート以上飲んでも不正出血が止まらない場合は、婦人科医に相談してピルの変更か、出血を止める処置をしてもらってください。

 不正出血を着床出血と騒ぐ人がいますが、あくまでも不正出血です。でも気になる場合は妊娠検査をしてください。性交為後3週間経っていれば確実に検査できます。薬局で売っているもので十分です。

 


4、副作用について

 ピルを初めて飲むと軽い吐き気、乳房の張り、頭痛、不正出血、腹痛、

だるさなどがあります。これはピルになれるまでに起きていることで、大体1シートから2シートいないで治ります。なんとか飲めるようであればそのままなれるまで飲んでください。ただし、最初から副作用がひどく生活も困難な場合はさっさと中止して新しいピルに変更しましょう。

 癌になりやすい、不妊症になりやすい、太るなどに関しては基本気にするほどではないので無視で構いません。気になる場合は婦人科の先生に相談するのは構いません。

 血栓症、ピルを飲むと血が固まりやすくなります。ただし、長期間飛行機に乗ったり、タバコを毎日たくさん吸ったり、普通に妊娠したりする方がはるかにリスクが高いです。ピルのリスクは大したリスクではありません。症状は多くの場合、足が痛い、歩くのに支障があるくらい痛いことが多いです。そんな場合はすぐにかかりつけ医に話してDダイマーという検査をしてもらってください。血栓症は早めに見つけたら、そんなに問題になる病気ではありません。このような症状があればすぐに病院に連絡をする。それだけ心がけていれば十分です。

 定期的に採血検査をされる先生がおられますが、これも全く無意味な検査です。採血で血栓症の予測などできません。ピルを飲むときに必要な検査は体重測定と血圧測定のみです。

 


5、ピルが飲めない人

 授乳中、35歳以上で一日タバコを15本以上吸う人、糖尿病の人、高血圧でコントロールできてない人、現在乳がんの人、心筋梗塞脳卒中の患者さんまたは既往がある人、前兆のある偏頭痛(目の前が真っ暗になったり、光が目の前にチラつくようなことが伴う頭痛、それがない頭痛は大丈夫です)  など・・・・・・・・

 他にもありますが婦人科医に確認してください。40歳以上の方は注意しながらの服薬は可能です。

 


6、避妊効果は

 現在発売されている、保険適応のピル、自費のピル全てに避妊効果はあります。ただし、コンドームとピルの併用のみが避妊であるという認識は忘れないでください。

 


7、子宮頸がんやカンジダ

 ピルを飲むと子宮頸がん、カンジダ膣炎のリスクがほんの少しですが上昇します。ただし子宮頸がんは定期検査を受けることで予防ができます。ピルを飲むことで婦人科に通うことになr定期検査をちゃんとすこことになり、逆に予防できることになります。カンジダも同様です。