産婦人科医のおじさんと泌尿器科医のモモ先生と看護学生のかすみちゃんのブログ

性教育に関するブログです。産婦人科の男性医師と泌尿器科の女性医師と看護学生の女の子がいろいろ話します。それぞれ筆者への質問は https://peing.net/kamishige0315 で受けます。

卵を大切にしようね

女性の卵子の数は胎児の時、妊娠6カ月くらいの時 点が一番ピークで、700 万個くらいです。出生児には 200 万くらいに減少し、その後はほぼ毎日 1000 個ず つ減少していきます。
つまり、16 歳くらいで 30 万個、20 歳を過ぎれば ほぼ残りは 20 万個です。そして約 50 歳で0に近づ き閉経となります。 しかしながら、数があれば妊娠できるというわけで はなく、その卵の老化も問題になっています。日本産 婦人科学会の 2012 年のデータでは、20 代後半から妊 娠の確率が徐々に低下し、37 歳以降は妊娠率が急激 に低下します。したがって卵が残っていても、卵子の 老化により数の減少以上に妊娠率は低下します。 だいたい 37 歳、38 歳を境に急激な妊娠率の低下が 見られると言われています。 もちろん、妊娠率の低下は女性だけの問題ではなく、 男性にも見られます。男性が原因で不妊になるケース は全体の 15 ~ 50%と言われており、かなり高い確率 です。
男性の年齢が 20 歳未満の場合、1年間の妊娠率は 90%であるのに対して 40 歳以上では 25%と低下して います。つまり男性も 40 歳を過ぎると妊娠率は急に 落ちるわけです。 女性の残った卵子の数を知りたい場合、その目安に なる検査が AMH(抗ミューラー管ホルモン)検査で す。AMH は卵巣内にある前胞状卵の顆粒膜細胞から 分泌されるホルモンです。卵巣の中には様々な成長ス テージの卵胞があり、その中には AMH を分泌して いる細胞もあれば、分泌していない卵胞もあります。
AMH が高いということは、卵の残りがまだたくさん あるということであり、低いということは卵胞の数も 少ないことになります。ただしこの AMH 検査が正 しくその人の今後の妊娠能力を反映しているわけでは ありません、検査はよく考えて受けてください。 さて、そんなことから考えると、37 歳までにでき れば子供を産んでおきたいということになります。 産む子供は多い家庭も少ない家庭もあるのですが、 平均2人と考えると、最後の分娩が 37 歳として、遅 くても 32、33 歳には第一子を産まないといけません。 結婚までの恋愛期間をせめて3年と計算して 29 歳、 もちろんそれまでにいろいろな男性と知り合ってから 最終的に結婚するべき人を決めますので、その前数年 間はいろいろな恋愛を経験しないといけないでしょう。 また、人間性が豊かで、自立できている人間によい パートナーは集まります。22 歳くらいから結婚を前 提とした素晴らしいパートナーを見つけるためには、 自分をそれまでに磨いておく必要があります。つまり 高校生や、大学生、専門学生の間は自分をしっかり磨 き上げる時期なのです。 もちろん恋愛はしてもいいのですが、つまらない男 性に時間を費やすのは本当に無駄です。少しでもダメ男と感じたり、DV 男の匂いを感じたらさっさと別れ ないと時間の無駄なわけです。 ただしあくまでもこれは計算上の計画であり、「子供を産む産まない」、「結婚するしない」、また、パー トナーの対象が異性か同性かは、それぞれみなさんの 自由です。