産婦人科医のおじさんと泌尿器科医のモモ先生と看護学生のかすみちゃんのブログ

性教育に関するブログです。産婦人科の男性医師と泌尿器科の女性医師と看護学生の女の子がいろいろ話します。それぞれ筆者への質問は https://peing.net/kamishige0315 で受けます。

かすみちゃんの質問には答えなければ・・・・・

  このところかすみちゃんの質問を医師二人が答える感じになってるけど、これって良いな。この掲示板は若い人に読んで欲しいと思っているし、質問も現役学生のかすみちゃんの質問が一番みんなに近い年齢からの質問になるしね。

 

 ピルで月経不順を治療するってことなんだけど。これは飲み薬で卵巣から出すホルモンを補充することになるので、卵巣自体を休ませてあげることになります。また卵巣自体も自分で出すエストロゲン(卵胞ホルモン)で自分自身を維持しているので、ピルに入っているエストロゲンが卵巣に働きかけて卵巣の成熟を促します。

 つまりピルを飲んでいる間は卵巣は良い環境で休んでいることになります。もともとストレスなどが原因で排卵機能が落ちていることが多いので、しっかり休ませてあげて自力で排卵能力を回復してもらうというのがピルによる治療です。

 なのでピルを止めた直後はピルからのホルモン補充は無くなるし、卵巣自体は休んでたしってことで、ホルモンの値はとても悪い状態になっています。そこで心ある卵巣であれば、自分の働きを思い出して頑張ってくれるはずです。これを期待した治療なのです。したがってピルを止めて直ぐには卵巣機能は回復しません。1ヶ月以内に7割、2ヶ月以内に8割、3ヶ月以内に9割程度が月経機能を回復させると言われています。残り1割が不妊症につながります。

 

 かすみちゃんの質問も普通でも3ヶ月は月経が回復しないことはあるのでそれくらい待たないと卵巣機能の回復は判断できません。

ただ、私のクリニックでも大体の患者さんたちは普段の生活が忙しいので、2ヶ月くらい待って月経が来なければまた治療を再開することが多いです。

 

 ピルと同じような仕組みで治療する方法にカウフマン療法というのがあります。これは卵巣から分泌される卵胞ホルモンと黄体ホルモンを、自然に排卵した時と同じような感じで内服薬で補う方法です。この時の薬は保険適応の薬を2種類使います。値段も確かに安いのですが、避妊効果はあまり期待できません。私は避妊の必要がない患者さんはカウフマン療法、必要がある人はピルという感じで使い分けています。なので患者さんの自己申告でカウフマンから途中ピルに変更になる患者さんもいます、その逆も・・・・・・・・・・・・・。

 

 月経が3週間以内に2回以上来る、3ヶ月以上来ない、10日以上続く、塊が出る、月経痛がひどい(必ず毎回痛み止めを使う)場合は婦人科に行くように話しています。

 月経が開始した女性なら小学生でも、中学生でも受診してください。治療が必要かどうかを判断するのは婦人科医だからです。もちろん婦人科に行っても怖い、痛い検査はないからね。

 

 かすみちゃん、男性の医者でも話しやすい人はいますよ。現に私のクリニックは女医さんが怖かったという患者さんが集まってきています。女性、男性に関係なく合う合わないの問題だと思うよ。もちろん生理的に最初から男性は嫌いっていうのはありだと思う。

 

 

 追伸  

  ところでtwitterで話している、緊急避妊薬のジェネリックは3月19日から販売です。