産婦人科医のおじさんと泌尿器科医のモモ先生と看護学生のかすみちゃんのブログ

性教育に関するブログです。産婦人科の男性医師と泌尿器科の女性医師と看護学生の女の子がいろいろ話します。それぞれ筆者への質問は https://peing.net/kamishige0315 で受けます。

ピルについて書くと以前約束していたので・・・・

 ピルは自費のOC (避妊が対象)のものと保険適応のLEP(治療、月経痛や子宮内膜症PMS、が対象のもの)に分かれます。ただしどちらも同じ薬なのでどの薬も同じ効果を持っています。ULDタイプの薬は避妊効果を保つためには飲み方に工夫が必要な場合もありので病院で相談してください。

 

 ただ国への認可はそれぞれ違う内容で出しているのでOCには治療効果は無い、LEPには避妊効果は無いみたいな説明になりますが、実際は前に書いた通りです。値段も保険で3割負担であればOCも保険適応のLEPも個人の負担額はほぼ同じです。恋愛パートナーができて避妊する場合は必ずピルを飲んでくださいね、コンドームだけの避妊は絶対にしないでください。また月経痛は治療しなかったらどんどん痛くなるし、不妊症になる場合もあります。LEPを必ず使ってください。鎮痛剤は治療ではありません。

 

 副作用に関してはピルは種類別にたくさんあるので、副作用の少ないものを選んで飲むことになる。最初1ー2シートまで体が慣れていないので不正出血や吐きけがあったりするが、だいたい2シートまでに治ります。それ以上続く場合は即座に変更して自分に合うピルを探します。治療効果に関しても同様で2シートくらい飲まないと効果はわかりません。ピルは2ヶ月くらいのんでそれでも合わない場合は速やかに変更して、早く自分に合うピルを探す必要があります。

 

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 飲む時間ですがだいたい決めてもらったほうがいいですが、忘れたら思い出した時間に飲んでまた元の時間に戻したらいいです。2日以上飲み忘れなければ避妊効果は大丈夫です。それ2日以上忘れたら、思い出した日から毎日1錠飲んでもらって8日目になったら避妊効果は戻ります。実際はもっと細かいのですが、これを守れば避妊は大丈夫。

 唯一の副作用は血栓症です。これは血が固まっってその塊が肺や脳に詰まってしまうことがあります。何も飲んでない人で1万人に1人くらいの発生します。ピルを飲むと2人に増えます。何も飲んでなくて普通にお産したら10人に、お産のあと3ヶ月は50人です。そう考えるとピルの血栓症発生率は高くありません。また血栓になってもクリニックでその場で検査して確認して、経過を見るか必要な治療(内服薬)を飲むくらいです。私のクリニックも今までに3名血栓症になっていますが、特に問題があるような大げさなことには誰もなっていません。クリニックで処方している限りは血栓症もそんなに問題にはならないと思います。

 

 月経不順、PMS、月経痛、子宮内膜症、避妊に対してピルを飲むわけですから、逆に飲まない女性は非常に少ないと思っています。いや全ての女性が飲んだらいいと思っています。

 

 いつまで飲むのかって聞かれますが、年齢と共に酷くなる月経痛は子宮内膜症が原因のことが多く、またPMSはホルモンがきちんとしている人ほど起こりやすい、また避妊は排卵があるかぎり必要です。なので簡単に言えば平均50歳まで飲んでください。(40歳でやめなくても構いません)もちろん妊活や妊娠後の授乳期間は飲まないわけですから50歳といっても休んで入り期間も長いです。目が悪くなったらコンタクトレンズ入れたりメガネかけたりするのと同じ感じです。メガネかけて初めて自然であり、かけないと生活ができない。なのでメガネやコンタクトはずっと続けます。ピルも同様飲んでいた自然で、飲まないと不安定で生活できない。だから飲み続けるわけです、自然になるために。

 

 ピルの検査は薬を飲むために必要な検査は問診と血圧測定と最初に身長体重を計るくらいです。それ以外の検査は基本的には必要ありません。

 

 

 

 とにかくいろいろな理由でピルは全ての女性が一度は飲む薬だと思っています。気楽に近くの婦人科で聞いてみてください。