産婦人科医のおじさんと泌尿器科医のモモ先生と看護学生のかすみちゃんのブログ

性教育に関するブログです。産婦人科の男性医師と泌尿器科の女性医師と看護学生の女の子がいろいろ話します。それぞれ筆者への質問は https://peing.net/kamishige0315 で受けます。

性感染症(STD)、性感染(STI)はみんな感染するよ

10人にひとり?
  性感染症は性行為経験のある10代の10人に1人は感染していると言われています。 STDには自覚症状がないので知らない間に感染していて、相手にうつしているという現状があります。しかし感染が長く持続した場合、不妊症の原因、流産早産の原因やがんの原因にもなります。性行為経験があれば誰もがSTDの可能性を持っているということを理解してください。皆さんはインフルエンザになったことがありますか?あれって遊んでいる人や素行の悪い人が感染するものではないですよね。手洗いやうがいである程度は予防できるものの、それでも感染するときはしますよね。普通に外に出て、普通に呼吸していたら感染しますよね。性感染症も同じです、コンドームなどである程度は予防できますが(だからコンドームは絶対につけてください、愛に証がコンドーム by岩室 ですからね)、100%の予防ではなく、普通に好きな人がいてセックスしたらうつる病気です。遊んでいるとか、浮気するとか関係なしにうつります。だから誰でも感染するんだという意識を持ってください。中にはディープキスでうつる感染症もあります。なってても恥ずかしことじゃないし、病院は秘密厳守です。性感染症になってる可能性があるのに検査しないことや治療しないことが恥ずかしいことですよ。



喉からも感染!?  
  オーラルセックス(口に性器をを含む、なめる)をした場合、すべてのSTD が喉に感染します。ほとんどのSTDはコンドームを付けることでほぼ予防できるのですが、オーラルセックスでは付けることがあまりないため感染が広がっているのです。オーラルセックスの時も必ずコンドームを付けるようにしないと性感染症の予防にはならないということです。淋病やクラミジアは喉に感染してその場で広がりますが、HIVや梅毒などは喉の粘膜から全身に広がってゆきます。喉の検査はうがい水を使う検査で簡単に出来ます。また淋病は抗生物質の点滴1回で、クラミジア抗生物質1回の内服でまず治療可能なのです。気楽に女性は婦人科に男性は泌尿器科を受診してください。そうは言ってもフェラチオの時にコンドームはなかなか使いにくいですよね。だから検査なんですよ。検査して異常無しならオーラルの時コンドームは付けなくてもいいのかもしれません。



では代表的な性感染症について書きますね。



クラミジア(性器クラミジア感染症) :世界中でもっとも多いST|のひとつで、若い人たちを中心に流行中。  □の中や性器などの粘膜からうつり、これといった症状がないため、感染者の70%は自分が感染していることに気づいていない。また、クラミジア感染者は、感染していない人に比べ3~ 4倍もHIVに感染しやすいので注意が必要だ。●症状:女性は症状がない場合が多く、あっても黄色っぽいおりものや軽い腹痛が起きたりする程度。進行すると、子宮頸管炎、尿道炎、卵管炎などを起こし、臓器が癒着する場合もある。男性も症状のない場合が多い。尿道炎を起こすことがあり、排尿のとき痛みがあったり、ペニスから膿が出たりする。 ●検査:女性は膣や子宮頸管からの分泌物などを採取するのが一般的。男性は尿検査。 ●治療:初期だと抗生物質を1回飲めばほとんどの場合が治る。

淋病(淋菌感染症) :クラミジアと並んで世界で多いST|のひとつ。クラミジアに感染すると、同時に淋病にも感染していることが多いため、必ず一緒に検査するようにしよう。クラミジア同様、自宅にいながら簡単にチェックできる自己検査キットもある。●症状 女性症状が少なく軽いため、気づかないことも多い。症状が進むと尿道炎や子宮頸管炎などを起こし、排尿のときに痛みを伴ったり、 黄色のおりものが出たりする。のどに感染するとのどの痛みやせきなど、風邪のような症状が起こる。男性は感染後、7日以内に尿道から黄色のI農が出る尿道炎の症状が出る。 ●検査:女性は尿検査、膿やおりものなどの分泌物を調べる。 男性は尿検査。●治療:点滴、注射を主体とした治療を行う。
これも1回でOK。

 

性器へルベス: 単純へルペスウイルスで感染。セックスでうつることが多く、なかに は□やのどにうつる場合もある。症状が進んだときの痛みはひどく、感染症のなかで最高レベル。やっかいなのは、一度感染すると完治しないこと。治療したあとでもウイルスの遺伝子は細胞内に組み込まれ、月経やストレスなど、からだの抵抗力が落ちたときにすぐ再発する。最初は外陰部や膣にかゆみや不快感が起きる。やがて熱感が出てその後3,4日目に米粒大の水庖や潰瘍ができる。この水庖が破れると、歩けず、排尿もできなくなるほど激しい痛みが起こる。●検査 :水庖などの分泌物を検査する。採血して抗体の検査をすることもある。 ●治療:初期であれば塗り薬と飲み薬。症状が進んでいる場合は点滴治療をする。

尖圭コンジローマ:ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染で起きる。尖圭コンジローマとは性器にできるイボのこと。症状を起こすもの、起こさないものを 含め、セックス経験がある女性の50%近くはHPVに感染している。現在は、原因であるHPV6型、HPV11型に対する予防ワクチンがある。●症状:感染後2、3ヶ月で性器やや肛門の周囲にピンク色あるいは褐色の小さいイボがたくさんできるのが特徴。●検査:患部の組織をとって検査をする。ただし見た目で大体わかります。●治療:免疫賦活作用のある軟膏で治療するのがメイン。治りが悪い場合は麻酔してレーザーや液体窒素などで取り除く 。


梅毒:梅毒トレボネーマという細菌が原因。症状が出ない潜伏期間と症状が出る期間が交互にやってきて、最後は神経が冒されて死にいたる、という深刻な病気。最近急速に感染者が増えてきておりオーラルセックスで感染するので 若い女性の感染が増えていると言われている。●症状:女性も男性も、感染して3週間ほどで性器にしこりやブツブツができ、足の付け根のリンパ節が腫れるが、痛みはなく自然に消える。3カ月ほどたつと全身に発疹や赤みができ、放っておくとまた消える。3年ほどたつと全身に腫れができ、内臓にも病気が広がり最後には死にいたる。●検査: 血液検査を行う。●治療 :抗生物質の内服薬を飲む。