おりものの異常；普段のおりものは、透明か白色が普通です。下着についたおりものが乾燥した時にはやや黄色くなります。従ってそれ以外の色は異常となります。褐色のおりものは不正出血なので違う話になります。不正出血についてはまたの機会で話します。
濃い黄色、緑、その他の色全て何らかの膣炎の可能性があります。
変な匂いの時、何ら冷蔵庫の中身が腐ったような、古い魚屋さんのような匂いがする場合は膣炎それも細菌性の膣炎です。これは、手や、性器、口などから感染します。細菌性とはいえ、おりものの量もおおく、匂いもすごいので治さないと大変なことになります。膣の
洗浄と抗生物質の膣座薬で簡単に治ります。月経中などは飲み薬もあります。
淋病やクラミジアなどは基本症状がないのですが、これが原因で膣の粘膜の抵抗力が低下することで、細菌性の膣炎になりやすくなります。細菌性膣炎の場合はそのベースに淋病やクラミジアが無いか確認する必要があります。どちらも注射、内服薬一回で治療可能です。また書いたように基本的には症状がないので気になる時は検査してみることも大切です、何も症状が無いのに調べてみたらクラミジアだったなんてよくある話です。
膣の周辺のかゆみや痛み；一番多いのはカンジダ膣炎です。豆腐を潰したようなおりもので、痒みを普通伴います。洗浄して薬を入れるか、内服薬一回で治療できます。外陰部が痒いときは軟膏もあります。同じように痒みを伴う病気にトリコモナスがあります。濃い黄色のおりもので強い痒みを伴うことが普通です。これは小さい虫なので、顕微鏡でおりものを見ると動いているので直ぐにわかります。膣の洗浄と膣座薬、さらに内服薬で治療できます。細菌性の膣炎でも刺激性のおりものが原因で皮膚がかぶれて痒みや痛みがあります。この場合は皮膚炎の治療になるので、ステロイドの軟膏を使います。痒みがひどくなると痛みにかわります。くれぐれもこれらの症状を放置しないようにしてください。
できもの；外陰部のできもので有名なのは尖圭コンジローマです。これは子宮頸がんの原因と同じ種類のHPVによる感染で起きます。症状は軽い痒みや痛みがある程度ですが、小さい鳥のトサカのようなぶつぶつができます。見た目では判断が難しいので、何か見つけたら必ず婦人科医を受診してください。治療は軟膏とか液体窒素とか電気焼灼とかレーザーで行われます。ウィルスが消えない限り再発が続くのでなかなか厄介です。
小さい水泡がいくつかでき、それが破れてとてつもなく痛いそんな症状があればヘルペスです。これも軟膏と内服薬で治します。1週間程度で治るのですが、神経細胞に遺伝子を残すため、その後も再発を繰り返すことがあります。再発抑制療法も保険適応で可能です。
梅毒；近年若い女性に急速に増えているのが梅毒です。始め風邪みたいな症状で治って、そのあと外陰部などに腫瘤ができるのですが痛みはありません。また足の付け根のリンパ節も腫れることがありますが、これも痛みはありません。そして薬疹のような発疹ができます。でもこれもだんだん消えてゆきます。でもこの病気はそのまま放置すると、心臓や脳に感染して死に至ることもあります。検査は採血検査です。2種類の採血検査で確定されます。梅毒は、抗生物質で治療できます。初期の場合で1ヶ月くらいで完治します。ただし数ヶ月に及びぶ場合もあります。早期発見が大切です。
性感染症という名前のように性行為でうつるから性感染症です。お風呂や、酒やジュースの回し飲みなどではうつりません。性行為、ファラチオ、ディープキスなどで感染します。必要以上に敏感になる必要もないのですが、気になる時は必ず検査をうけてください。早く見つけたら簡単に治療できます。他にもたくさん性感染症は有りますが、今回はよくあるもののみを書きました。
