産婦人科医のおじさんと泌尿器科医のモモ先生と看護学生のかすみちゃんのブログ

性教育に関するブログです。産婦人科の男性医師と泌尿器科の女性医師と看護学生の女の子がいろいろ話します。それぞれ筆者への質問は https://peing.net/kamishige0315 で受けます。

人のことはわからないので、自己満足に浸らないように

今日も昨日もデートD Vの彼氏を持っているのだろうなって患者さんが受診してきた。掲示板の質問にも良くあるが、「先生、別れた方がいいと思いますか?」「私、おかしいですか?」

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森林原人、上村茂仁 youtube [

 別れた方がいいのかって聞かれれば別れた方がいいと思うのだが、別れられないからいままで別れてないんでしょう?だったらすぐに別れられるとは思わない。殴る蹴るや、命の危険を感じるようなD Vはもちろんさっさと別れた方がいいし、何とか別れられるようにできるだけの手助けはするのだけど、精神的D Vに関しては、それがその人にとって悪いことなのか、私はわからない。

 前、ブログにも書いたが、その人の他の生活がD Vの彼氏との生活よりもひどい場合は、今の彼氏との生活を守る方が幸せだと思う。そして大体D Vの被害者たちはそのような家庭や環境を経て今の彼と付き合っている。だから離れられない。彼の前では普段の自分ではなく、彼のためだけに作り上げた自分であったとしても、それが彼女のしたいことで彼女が考える幸せにつながっているのであれば、悪いことではないと思う。

 とことん付き合ってとことん傷ついてそしてもう無理って思えるようになって初めて別れることができる。それまでの間、相談相手や話し相手になるけど、それ以上は何もできない。

 親や親友は恋愛対象ではないから、その愛でD Vを助けることはできない、彼との付き合いに傷ついた時に初めて親や友達の愛が必要になるので、親や友人はそこまで待たないといけない。もちろんいくら待っても何も来ないかもしれないけど。

 そして他人はいくらお節介焼きでも、他人でしかない、一時的な助けはできるけど、そこまでの関係でしかない。被害者の彼女がお節介な他人を利用しようと思うまでは、なんの役にも立たないし、利用価値が終わればそこまでの関係になる。

 そんな関係や、時間の経過がいつしかその人の方向を決めてくれる。したがって周りの人は自分の役割を間違ってはいけない。できることできないこと、してはいけないこと、これらに関しての判断ミスが2次被害を創り出す。

 D Vの被害者や性被害にとって加害者は許せないのは当たり前として、それと匹敵するくらい許せないのが2次加害者である。マニュアルに沿った当たり前の言い方、自分の価値観や経験での対応、これらが簡単に2次被害者を作る。

 相手の話を聞いて、そして鵜呑みにして、アドバイスを聞かれたら答えるが、それ以外はただ側でうなずいている。それでいい、いやそれ以外は余計なことだ!