産婦人科医のおじさんと泌尿器科医のモモ先生と看護学生のかすみちゃんのブログ

性教育に関するブログです。産婦人科の男性医師と泌尿器科の女性医師と看護学生の女の子がいろいろ話します。それぞれ筆者への質問は https://peing.net/kamishige0315 で受けます。

緊急避妊薬についてまとめて書きます。しつこいけど

  今までも、何度も書いていますが、再度改めて書きます。緊急避妊薬の処方方法が話題になっています。避妊の問題はとても大切なので、緊急避妊薬を求めてきた時が本人も後悔している時なので、このタイミングできちんとピルとコンドームを併用した避妊方法につないでいくこと、また性感染症についてもちゃんと知識をつたえるチャンスなので処方の時にその知識を提供して、可能な限り行動変容に持って行こう。また性被害なども隠れている場合があるのでそれらを見逃さないためにもちゃんとした対応で臨む必要がある。だから対面での病院(クリニック)での処方が推奨されるというものです。

 

  ただ、これは今始まった話ではなく、昔から患者さんの対応に必要なスキルです。ですからそれができる人と、できない人に別れます。できない人はできないというか、しません、そのことに必要性を感じないからです。そしてそれができるのが医療従事者というわけでもありません。薬局薬剤師さんから私は何人も患者さんについて紹介を受けます。DV被害者の可能性があるので本人を説得したから話を聞いてほしい、性被害者のようなので先生のところに行って話するように説明したら、行くということなのでお願いしますなど・・・・。自分の事について話をしたい人は相手の対応で話してくれます。ただし大半の人はいきなり話し始めません。何回か会って信頼関係を持てるようになってからです。

 

  また、殆どの緊急避妊薬処方希望者は恥ずかしい気持ちや、説教や指導されるのではないかという不信感で病院に来ます。彼に説得されてきた人もいます。とにかく薬を早くもらって飲みたいのです。妊娠は怖いから薬はもらいに来るけど、病院や医者は嫌いなのです。やっとの思いで頑張って病院に来て、そこで膣にプローべ入れられて検査されたり、しつこく状況を聞かれたり、変な説教なんかされたくありません。それがあると、次は妊娠の可能性があっても嫌な思いをしてるので行きたくなくなって、そのせいで本当に妊娠したりすることもあります。

 

  私は緊急避妊薬をもらうことに関してはできる限り敷居を下げて、気楽にいつでも手に入るようにするべきだと思っています。何が大事かって、予期しない妊娠をまず守ることが大事です。他のことはそれからです。私のクリニックに何回も緊急避妊薬もらいに来て、流石にもうピルにするわって飲み始めた患者さんが何人かいますが、その人たちはずっとピルを続けています。もちろん緊急避妊薬をもらいに来た際には、何があったのかとか、避妊はコンドームとピルの併用だよと説明はします。ただししつこくないようにさらっと。

   婦人科って行きやすいところだ、気楽に行けるってイメージがあれば、妊娠の可能性がある時に気楽に緊急避妊薬をもらいに来てくれます。そのような関係ができればこちらも強く避妊について、性感染症について話せます。その関係性が私は大切だと思います。そしてそれは薬剤師さんでも同じでしょう。

 

  緊急避妊薬の処方に関しては、どこでも構いません。出来るだけ敷居が低く、気楽に行きやすい環境で処方してあげてほしいと思います。